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明大講座「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」 その1

2016年10月28日

人形浄瑠璃が発端となって、少しずつ日本の伝統芸能に目覚め、今年は、「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」の講座を受講した。
この講座、勉強というより、毎回、その道のプロを招待し、浪曲や、講談などの生ライブを聴かせてくれるので、実に気楽で楽しい。

コーディネーターは、明治大学政治経済学部教授の新田先生。
趣味が高じて、専門外の分野の講座を担当され、毎回、受講生を楽しませながら、ご自分も楽しんでらっしゃるご様子だ。

今日も(10月28日)、息遣いが届くほどの目の前の教壇に、にわか造りの舞台がしつらえてあって、ふかふかの座布団の上に、落語の「瀧川鯉昇(りしょう)師匠」が座って、1時間半、たっぷりと落語を聴かせてくれた。

お題目は「宿屋の仇討ち」。ただ鯉昇師匠の落語は、話の前置きの「枕(まくら)」が長い。「大丈夫、この話が終わったら、ちゃんと落語をしますから」と笑わせる。身近な話なので、おもしろいが、こんなに話があちこち飛んで大丈夫かしらと思っていると、ちゃんと、落語の話につながっていくところがすごい。要は、宿屋の仇討ちに入る枕で、師匠の旅のおもしろ話を聞かせてくれたのだ。

せっかくなので、講義の記録を書き記すことにした。

<初回の講義 10月7日「浪曲の発祥から現代への歩み>
ところで、最初の講義は、前日本浪曲協会会長の「澤 孝子先生」の浪曲だった。
明大講座「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」 その1

さすがに、最初に浪曲を聴かせてくれたお弟子さんとは、力量が違う。よどみなく流れる声のリズムが心地よかった。何より、三味線の佐藤貴美江師匠との息の合った舞台が素晴らしかった。
明大講座「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」 その1

時折、三味線に見とれてしまう。少し三味線を勉強しているので、佐藤師匠の腕前のすごさがわかるのだ。切れのよい音と、はじいたり、叩いたりする撥さばきは、わたしにとっては、神がかりの演奏だった。

現在では、浪曲は女性だけしかいなくなってしまったとか。浪曲といえば、男性と思っていたわたしにとってはいささか意外だった。

<2回目の講義 10月14日「いま知る侠客伝の世界:日本人はなぜアウトローの世界に魅了されているのか」>
浪曲もこの講座で初めて耳にしたが、講談も初体験だった。
いらしたのは「宝井琴調(たからい きんちょう)先生」。後ろに髪を縛って、にわか仕立ての舞台に座った琴調先生は、やはり講談が始まる前に、おもしろい話ばかりするので、まるで落語のようで笑い転げた。
明大講座「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」 その1

講談は、落語と一緒に披露されることが多く、落語家の方たちと一緒にいることも多いとのことで、おもしろいネタをいっぱい披露してくれた。
いざ講談が始まると、さっきまでの姿勢が一変して、ドスの効いたべらんめぇ口調の話しぶりが堂に入っていて、話の中に引きずり込まれてしまう。なるほど、侠客物が得意の先生だけあって、一気に昭和、大正の時代に引き込まれてしまった。

<3回目の講義 10月22日 フィールドワーク「歴史散歩とお江戸日本橋亭での講談土曜特選鑑賞>
待ち合わせは西日暮里。20数名ほどの受講生が集合。案内をしてくれるのは、講談前座の田辺いちかさん。着物姿に大きなリュックをしょって、道灌山、南泉寺、全生庵など、講談落語ゆかりの地を案内してくれた。
明大講座「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」 その1

二葉亭四迷が『浮雲』を書く際に、円朝の落語口演筆記を参考にしたという、江戸・東京の落語の大家である円朝師匠の墓も廻る。
明大講座「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」 その1

谷中も通り、教室の皆さんと出かけた谷中の道中を、nabeさんと懐かしく思い出す。谷中らしい狭い路地を探すが、今回はあいにくそういう道は通らなかった。
明大講座「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」 その1

ちょっと立ち寄りたいお店もいっぱい。
明大講座「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」 その1

懐かしい猫グッズのお店も通る。
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新田先生「五重塔跡は?」。田辺いちかさん「はい、行きますよ」と言われて、訪れた谷中の五重塔跡。
明大講座「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」 その1

明大講座「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」 その1

燃えてる写真と、在りし日の五重塔の写真が貼られていて、思わず、見入ってしまう。どうして火事になったのだろうと、nabeさんと話す。「きっとタバコの火だよ」というnabeさんの考えにわたしもうなづく。ところで、後で調べたら、不倫の末の心中だったそうで、男女の焼死体があったそうだ(^^;)。
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歴史散歩が終わり、皆さんと揃って、お江戸日本橋亭へ。
明大講座「日本の伝統芸能を学ぶ・楽しむ」 その1

宝井琴調先生や一龍齋貞心先生の講談にどっぷりと江戸文化にひたり、この日のフィールドワークは無事終了した。


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Posted by kamome at 22:08│Comments(0)あそぶ
 
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